第55話：不妊治療㊻妊娠初期の甲状腺機能

判定日の翌々日のBT14は、甲状腺の診察。
甲状腺が悪いだけでも流産や、母子共に失命の可能性はあると怖い説明は受けている(あくまでリスク説明の一環として。ただ、コウノドリに出てくる妊婦はバセドウ病で亡くなっているらしい。←怖くて見れない💧）
子にバセドウ病が遺伝するとか、流産や、新生児バセドウ病･･･健康な人と比べていろんなリスクが加わる。

妊娠初期は健康な人でもみんな甲状腺機能は亢進するとは聞いてたけど、体感的に確かに悪化してる感じはあった。

甲状腺の診察
妊娠初期の出血
胎嚢確認前の気持ち

甲状腺の診察

甲状腺機能亢進はしてるものの、ずっと上がり続けてた病勢を示すTRAbが、初めて下がった。
しかも急に半減😳
いつもは15～16程度だったけど、今回は急に7～8程度に半減していた。

主治医から、「TRAbは10以上で新生児バセドウ病の危険性があるとされてるけど、妊娠したら下がってくるから大丈夫だよー。」とは言われてたけど、ここまで下がるとは…

年末年始で予約がいっぱいだったから、先生指定なしのAM free枠での予約。
白髪のひろゆきみたいな先生で(笑)、元々小児科の小児甲状腺専門の権威的な先生だった✨
主治医も小児科で小児甲状腺専門の先生だけど、その専門の先生って少ないのに、たまたま当たってラッキー✨
その先生にも「TRAb、いい感じで下がったね。10以上で新生児バセドウ病のリスクが上がるから、もうちょっと下がって欲しいところだけど、妊娠初期でこれなら後期にかけて下がっていくから、出産の時はいい数値になってると思う。」と。

これからどんどん甲状腺機能は亢進していくけど、健康な人でも妊娠したらその経過を辿るからFT3、4の上昇・TSHの低下は今はそこまで気にしなくていい。
これからFT3やFT4は、もっと亢進するけど大丈夫だからね、と。
メルカゾール内服で妊娠なので、BT10から休薬してることを伝え、そのまま安定日まで休薬継続になった。

そう、甲状腺の診察の結果は良かった。
挿入障害や不妊のストレスで、バセドウ病になったと思っていたから、これでこのまま寛解するのかも！

･･･と、思ってたし、みんなに大丈夫、大丈夫って言われて信じてた。

本当に大丈夫な結果に終わったかどうかは、この続きでわかります😅

妊娠初期の出血

甲状腺の診察日であるBT14から、ほぼ毎日の出血が始まった。

元々妊娠初期は出血しやすくて、血の量か大量じゃない・腹痛か酷くない・続かないなら、安静にしてたら良いらしいんだけど、そもそも血の多い少ないって主観で決めていいの？

そんなに多くもないけど、着床出血とか子宮の拡大に伴う出血なら、もっと少ないと思ってた💦
大量にドバッとは出ないけど、ジワジワ出血してて、ルティナスのアプリケーターにも血がベットリ…もうルティナスで刺激したくないし、入れるのも毎回怖い。
でも血が出てても薬はやめられない。
やめたらそれこそ流産案件。

調べてみたら、私と同じようなhcgで、医師に太鼓判貰えた人も、私と同じようにBT14から出血してて、流産した人もいて…
しかも私、BT10から妊娠初期症状皆無だし。

さらに間の悪いことに、下痢も始まってお腹が痛い⚡️
腹痛と出血がリンクしてる感じはないけど、下痢の腹痛か出血の腹痛かなんてハッキリわからない。

年末年始挟んだから、判定日もずれ込み、次の胎嚢確認もそのズレた判定日に合わせてだから、遅め…
早く安心させて欲しい…
心拍確認はいつ？？遠い💦

通院でバタバタしてたけど、一応一日中ずっと安静…でも出血止まらない。

怖くなっていろいろ調べてる時に、私と同じ判定日で
「胎嚢確認待ち。出産予定日は9月10日。早く会いたいなぁーワクワク❤️」
みたいな人がいて(タイミング2回とかで妊娠した人)
無理でした･･･💧
ここまで拗らせちゃうと本当にそのワクワク、理解できないよね😩

あまりにも出血が止まらなかったら受診しようかな…

そんなときに、焦ってアプリの日にち入れるのが1日ズレてて、妊娠継続率95%てはなく89.5%だと気づいてちょっと凹む。
1日でその差ってなんだろう…。まあ、機械で計算してるし、単なる確率の問題だし･･･。

結構出血する日が多いので、胎嚢確認の日までは安静に過ごしていました。

胎嚢確認前の気持ち

本当に不妊治療が辛くて、不妊治療の理解者もなかなかいなくて、周りにはいろんなことを言われながら頑張った。
治療自体も痛くてしんどくてキツいことばかりでだったけど、自分の心を守るのが1番大変だった。
バセドウ病を発症したのも絶対、挿入障害や不妊のストレスが原因だと思う。
悪化したのだって全部全部。

心を守る為に、甲状腺専門院と不妊治療専門院両方のカウンセリングに通ったこともあるけど、いくら話したところで、自分の中の答えはいつも
「子供ができないと解決しない」だった。
カウンセリングで話を聞いてもらっても子供ができるわけではないし、余計に、
「子供ができないと解決しない。でも、できないというどうしようもない。」
という事実に辿り着き、何の解決にもならなかった。

逆に言えば、子供ができたら…
妊娠ができたら…
検査薬で陽性が出たら…
私は全ての不妊の悩みから解放されて”あちら側”に行けると思っていた。
そんなことはなかった。

私にも、「やった！！陽性✨」と素直に喜べる時はあったと思う。
長く拗らせ過ぎたんだと思う。
本当に不妊脳から抜け出せなくて、もう苦しまなくてもいいのにいつまでも苦しい。

今まで、長らく妊婦を避けてきたから、今後のことが全くわからない。
でもダメだった時のことを考えて、今後のことを知る勇気が出ない。
たまごクラブなんか買って流産したら？
これ以上傷つくのが怖くてまだ動けない。
私だってここまで拗らせなかったら、ワクワクで楽しいマタニティライフがあった筈なのに。

今まで妊娠に対して、羨ましい気持ちが度を超えて恨めしい気持ちさえ持っていた。
そんな対象が急に自分の仲間になるなんて思えない。
私も妊娠している筈なのに。
今でも、共感できたり、応援したいと思えるのは、妊婦よりも不妊治療をしている人たち。
不妊をいつまでも”こちら側”だと思ってしまう。
不妊治療なしですんなり妊娠できてワクワクしている”あちら側”の妊婦と一括りにされたくない。
違いすぎる。
私だって妊婦のはずなのに…

私がこんな気持ちになるのは、”あちら側”の妊婦が悪いわけでもなければ、不妊治療が悪いわけでもなく、突き詰めると自分が原因を作ってるんだと思う。
“あちら側”やら”こちら側”やら線引きをしているのは自分なんだから。

不妊治療中に言われた言葉の数々がいつまでも許せない。
あんなこと言われて悔しい！
私だって妊娠さえてきれば…
またダメだった。
辛い…でも私だって妊娠さえできれば…
きっと私は、挿入障害や不妊治療で長く戦って傷ついたものが精神的に癒えていない。
私よりもハードな治療を長くしている人でもスッと切り替えられる人はいるけど、私はまだ引きずってしまうみたい。

週数が進んだら少しはワクワクできる？
妊娠できて無事に出産できたら、こんな気持ちになったこともあったな、って笑える？
環境が変われば心に何かしら作用はしてくれるとは思うけど、私が変わらないとね。
どうやったら不妊治療中の辛い気持ちや黒い気持ちと、さよならできるんだろう…

今治療をしている人にとっては、贅沢な悩みだと思うのはわかってる。
私が今も治療してたらきっと
「私だったら陽性が出たらもっと喜ぶのに！そんなに嬉しくないなら私に陽性譲ってよ！」
と思うと思う。
嬉しくないわけではない。怖い気持ちが強いだけ。

胎嚢確認。
もちろん、わくわくなんて一切ない。
あまり意味はないのに、怖くて検査薬でhcgが出ているか確かめた。
前回は陽性反応は出たけど、胎嚢確認できなかった。

今回胎嚢確認ができなければ、化学流産だから、着床障害の検査からか…。
とか、胎嚢確認ができた後、流産なら手術しなきゃ。
その後は着床障害の検査は飛ばして不育症検査からかな？とか
もう頭が完全に不妊脳。
考え方の癖みたいなものかな…
早く解放されたいし、自分でなんとかしなきゃなんだけど…。

そんな気持ち。
思いの外、浮かれてなんていられなかった。

***

過去を、遡って書いているので、滞納確認前の気持ちに対しての答えが出ています。
生まれてくれて、母子ともに健康になるまで、この黒い気持ちはずっとずっと続きます。
でも、マシにはなっていきます。
子どもが元気に育っていっても、ちょっとした一言で、すぐに傷ついたり、イライラしたりします。
不妊治療をする前の自分には、もう戻れないんだなと思いました。
良い意味でも悪い意味でも。

痛みを知って、今後の人生に生かせたらいいな。