第3話：不妊治療前③婚活に明け暮れる

婦人科騒動中も、それが終わってからも婚活は続けた。

私は挿入ができないくせに、一丁前に結婚願望はあったし、子どもも欲しかった。

出会いを探して
コンパの巨匠
趣味を広げる

出会いを探して

周りはどんどん結婚していき、合コン、街コン、お見合いパーティー、マッチングアプリに…仕事みたいにして頑張ってる私だけが取り残されて、当時はなかなか病んだ。

結婚式のブーケトスで未婚女性が私と友達の2人だけだったから、参列している子どもたちも混ぜてやるという晒し者の刑にもあった😭

「君の魂がまだ結婚できるところまで成長してないから」
とか宗教じみたことも言われたこともある。タ…タマシイ？？はぁ、もう、そうすか😩

そもそも、たまたま同じ地域、同じ学校、同じ職場に、たまたまいい人が見つかる…なんて、自分で努力してること何か一つでもあるのか！！！
少なくとも出会いだけに限って言えば、ただの運だけの力でしょう！！
私はそういう人たちより、出会いの為に努力してる！！
不公平だ！！

…と、当時よく怒ってた😅
努力が実らなくて荒んでいた。
他人に対して、努力していない！！と怒る資格は全然ないのだが、自分は胸を張って頑張ってきたと言える。

私が婚活を頑張り始めたのは、新卒の時に行った合コンである人に出会ったから。

コンパの巨匠

新卒の時に行った合コンで出会った人は、なんと3つも合コンをハシゴしているそう。
すごいなぁ…と思っていたら、その人が席を外した時に、幹事の人に言われてしまう。

この一言から私は婚活に火がついた。

関西弁のこの幹事の男性のことは、市丸ギンだと思って聞いて欲しい笑
そんな感じの人。

👨「自分ら、あの人、3つも合コンハシゴしてすごいなーって思ってるやろ？」

――うんうん。思った。

👨「それはな、すごいんじゃなくて
そこまでしないとあかん状況にまで来た
ってことなんや。
俺は幹事してるからいろんな人見てきた。
あの人なんかはまだ若いからマシな方や。
毎週末3つハシゴして合コンしても誰にも相手されへん人なんかザラにおるで。」

――え？

👨「自分ら25歳以下やろ？普通にしてるだけで、男寄ってくると思うけど、それが当たり前やなんて思ったらあかんで。
どんなかわいい子でも女の子は25歳過ぎたら途端にモテなくなるねん。
市場価値が下がっていくんや。
いつまでも声かけてもらえる・選んでもらえる、自分は選べる立場やと思ったら、大間違いやで。
今頑張らんと、この先何軒も合コンハシゴして、朝から夜まで頑張り続けても報われへんことになるで。」

――え、こっっわ…😱
この市丸ギン、怖いわ。

怖いことを言ってるし、市場価値だのなんだの言いたい放題行ってくれるじゃない！
といえばそこまでなのかもしれないが、核心を突いていたし、そこまで言ってくれるのはその人なりの親切だと思った。

私は合コンそっちのけで、市丸のギンさんの話を聞いた。
私と一緒にいた女の子も。

とにかく合コンを仕切ったり、話を盛り上げるのがうまくて、何を話してもこの人の話は引き込まれるものがあった。
正直、この合コンに来ていた誰よりも、この市丸ギンが魅力的だったし、一緒に合コンに来ていた女性陣全員一致で「あの市丸さんが、幹事ではなく参加者だったらな･･･」と言っていた。
は今思えば、参加者の男性陣からしたらたまらんな･･･笑

👨「まぁ、手遅れになる前に頑張りよ。まだいけるから。ほんまに。
悲惨な人いっぱい見てきてん。頑張るなら今やで。」

この言葉から私は本気になったし、早いうちにこういうこと言ってくれる人に出会えて良かった😭

ここから私の本気の婚活が始まった。

趣味を広げる

婚活！婚活！と言いつつ、当時仕事もめちゃくちゃ頑張っていた。
というか、頑張らないとついていけなかった。
次々と初めての症例を担当しないといけなかったし、自分が何をするかで、その人の人生に大きく関わるしで、プレッシャーもあった。

院内勉強会を合わせると週7で勉強会の時もあったし、症例発表もしないといけなかったので、仕事が終わってから夜遅くまでレポートも書いていた。

正直寝ていたい…
それでも！市丸のギンさんの言葉が頭を過って、勉強会のない週末や、平日の夜は婚活を頑張った。

しかし、こんなに頑張ってるのに、どーーやっても報われない。

初めまして。
お仕事は何されてるんですか？
休日は何してますか？
…何回繰り返した？
毎回同じ定型文言ってる気がする。

なんか疲れてしまいまして…

趣味で出会ったり…なんてこともあるだろうと、下心もちょっと持ちつつ、自分の活動を広げることにした。
好きなことをやっていると、自然と笑顔になったり、素の自分が出せたりして、そこにチャンスがあるとはよく聞くあるあるだった。

仕事関係で出会ったがやってるヨガ教室へ通い
フットサルをやり始め
1人で海外旅行にも挑戦した
海外旅行に行く為に英会話カフェで講師の外国人と出川イングリッシュで談笑し、一緒に外国のおやつを料理して食べたり…
授業が終わってから、ドイツ人にアニメイトに案内してもらったり笑
日本人より日本文化やアニメに詳しくて、面白い。

全ての経験が新鮮で楽しかった。
本当に毎日が忙しくて充実してて、楽しかった。

でも肝心の彼氏はできなかった笑

趣味で知り合う人も多い中、私はそんなことはなかった。
それでも、無駄な日々だったとは思わないかな。純粋に楽しかったし✌
趣味は婚活疲れにも良いので、あわよくば、うまくいけばいい人が見つかれば良いなくらいの気持ちでおすすめです🌸

✳︎✳︎✳︎

私はそもそも海外旅行に興味がなかった。
ある患者を担当するまで。

若くして脳梗塞になり、ほぼ動けない状態になった患者さんを担当した。
急に体が動かなくなり、ショックだったはずなのに
「私は独身で好き勝手に生きてきて、やりたいこともやってきた。海外旅行が好きで行きたいところも全部行ったし、動けなくなっても後悔がない。」と、言い切っていた。
強くてかっこいいあの人が、明るく自分の見てきた景色について話してくれる姿を見て、海外旅行に興味を持った。

すぐに結婚相手には出会わなかったけど、こういう出会い運は良かったと思う。

残念ながら、私は体が動かなくなっても、後悔がないと言えるまでの気持ちにはならなかったし、壮大な景色を見ても、自分の悩みがちっぽけに見えたりもせず（笑）、
旅行から戻れば、すぐにいつもの自分に戻っていたけど
それでも良い経験だったし、楽しかった^^❤️
すぐ結婚していたら、旅行は行けてなかったと思うし、やはり塞翁が馬だね。

当時はその患者さんのことを達観した人だなと思っていたが、今なら、ちょっと無理してたんじゃないかな･･･とかいろいろ思う。
私も、この後入院することになるけど、入院中は一切泣き言は言わず、超絶達観した聞き分けの良い患者だったと思うし（心中は大荒れだったけど）。
ずっと一人で頑張って来た人なら、尚更頼るのも下手そうだし･･･
今、またあの人に会えたら、楽しかった旅行の話をもう一度聞きたいな🛫