第49話：不妊治療㊵化学流産した時のこと

Hcgがだいぶ下がったので、子宮外妊娠の可能性は除外で、エコーで確認する必要もなく･･･

化学流産
次の移植に向けて･･･
化学流産から学んだこと

化学流産

「今回は残念ですが、化学流産です。」と。
その日の先生は、採卵を担当してくれたクールビューティーな先生。
すごく気まずそうに、申し訳なさそうに、言ってくれた。

この判定を聞くために3時間待った。
それだけで、1万か2万くらいかかった気がする。

でも病院に行く前に検査薬で陰性確認済みだから、結果はもう知ってた。
わかってたし、好きなだけ泣いて、旅行もして、もう気が済んだ。
気持ちは立て直して、この日に先生に聞くことも事前に纏めてきている。

できることなら、私だって休みたいし、止まりたい。
そう言っている間にも、昨日より今日、今日より明日と･･･確実に老化していっており、状況は不利になる。
落ち込む間もなく、次のことを考えなければ、次のチャンスさえ無駄にしてしまう。

結果は化学流産ということになったが、ここでも私は勘違いをしていた。
「化学流産は、一応着床しているから着床障害はないのかな？」と思っていた。
実際は、化学流産は着床はできるという証明にもならず、わかることは何もないそうで･･･
（Hcgの値にもよるかも知れないけど、私はこう説明された）
今回の結果は①受精卵の問題か、②窓ズレか、③それ以外の着床障害か･･･不育症がどうこうまでは辿り着いていないし、何もわからない。
移植ができなかった期間に先手を打って、窓ズレ以外の着床障害の検査項目は済ませていたし、異常なしだった。
さて、これからどうしたらいいものか･･･

次の移植に向けて･･･

これ以上の検査となると、痛くて高いエマ・エラ・アリス検査･･･
ERA（エラ）、EMMA（エマ）、ALICE（アリス）について (motoyawata-lc.com)

これらは、通常は2回移植したときに無理だったらオススメされる検査で、高額かつ痛みを伴う。
しかも検査は最低でも1周期以上かかるから、2ヶ月ほどは不妊治療はストップになるわけで･･･
うーん、やりたくない。
でもこれ以上検査できるものがない。

収縮胚だったし、たまたま受精卵側の問題だったと思いたいけど、
見た目の判断だとはいうけど、
最高グレードの受精卵で失敗してるわけだから、本当に自信がなくなってきた。

次の対策方法が見つからない。
また同一条件で移植する？
1回失敗してんのに？

先生と上記の内容などいろいろ相談した。

先生「通常は年齢を重ねるにつれて、窓ズレは後ろにズレていきます。今回は窓ズレの検査はせず、1日後ろにズラして、移植してみますか？例えば、排卵日から5日目のところを6日目にするとか･･･」

私「うーん･･･、もう1回だけ同一条件で移植してみます。それでダメなら、エマ・エラ・アリス検査をする決心も付くと思います。」
何が原因か何も予測もできないまま、コロコロ移植条件を変えるよりも、同一条件でもう一度良好胚盤胞を移植してもダメだった方が、抵抗なく検査周期に挑めると考えた。

あと、できる対策はないか？と、先生は着床障害の項目が書いてある紙を持ってきてくれて、一緒に1つずつチェックした。
その中で、チェック項目の下に小さく※化学流産を繰り返される方へ、不育症の検査、遺伝子検査、子宮収縮の検査なども実施しています。というようなことが記載してあった。

あ。ここの文章完全に抜けてた。
子宮収縮のチェックなら、経膣エコーで可能な簡単な検査なのに！！（検査の事は全てリサーチ済み✨）
私「先生、この子宮収縮の検査をするのはどうですか？」

先生「そうだね。これなら、そんなに負担なくできますからね。じゃあ、今周期は子宮収縮の検査をして、前回と同じ自然周期で移植にしましょうか。」

ということになった。

化学流産から学んだこと

子宮収縮の検査は賛否があった。
というか、着床障害や不育症なんかは、わからないことだらけで、体外受精で行う全ての検査は賛否があると言っても過言ではない程、各クリニックや医師で考え方が違った。

賛否があって、わからない事だらけ。
着床障害の検査は殆どやって、その上で一番良かった受精卵でさえ、化学流産。
新たに検査をするからと言って、何の自信も沸いてこなかった。
既に、ダメだったときのことを考えて、次の検査について調べている。

本当に自信がない。
諦める？

今までの私は、これから先の人生、他人の子どもや家族をずっと羨み続けるのなら、シんだ方がマシだと考えていて、諦めはシを表す言葉だった。

でも、今回、化学流産がほぼ確定した状態で、夫と2人で旅行に行ったけど、楽しかった。
この人となら、子どもができなくても楽しく生活できるのかも。
この人となら、生きてみる選択肢もありかもしれないと思った。
あの旅行から、諦めはシではなくなった。

夫婦で決めたリミットまでまだ期間があるし、まだまだ諦めがつかない。
次ダメだったら、強制的に2ヶ月程妊活できず、痛い高額検査･･･
すごく落ち込むのはわかってる。
でも、きっと失敗しても、落ち込んでも、泣いて帰っても、帰る場所はあるし、諦めてもシななくていい。
全ての生命に意味があるなら、この学びはあの5BAの子がくれたものだと思う。

今回の化学流産で大きく成長できたと思うし、もう十分すぎる程不妊治療には学ばせてもらってるし、限界点まで成長したから･･･
そろそろ次のステップ（妊娠して子どもができる）まで進ませてくれませんかね？

***

この時は、ダメだったことばかり考えていた気がする。
でもそれって、自己防衛で、期待してから地獄を見るよりだいぶ良い。

マイナス思考は良くないなんていうけど、私はこの”期待しない”思考し、随分と救われてきた気がする。
自分にも、他人にも、結果にも”期待しない”ことから、親切にされたり上手くいくことが当たり前だとは思わなくなったので、以前より感謝もできるようになった。