第48話:不妊治療㊴日常から離れて得たこと

不妊治療

おそらく化学流産だな・・・と思いながらも、薬は継続して煮え切らないまま。
いろいろ考え一睡もせずに朝を迎えた。

自然妊娠だと気づかずに終わってしまうことだけど、
私のは100万かかってるわけで・・・
採卵も会わせると3ヶ月かかってるわけで・・・
採卵もOHSSになりながらも、腹水でお腹が腫れて、お臍の形が変形しながらも、毎日注射して頑張ったわけで・・・
その努力の末に得た受精卵の写真も手元にあり、先生と「この子にしようか!」と楽しそうに話しをしながらやった結果、何の成果も得られなかったことに当然ショックは大きく、全額負担するから判定後の旅行は断る気でいた。

カニ・温泉旅行

断ろうとしていたら、朝早くから夫を起きる音がして、張り切って旅行の準備をし始めた。
(夫のいびきがうるさい為、寝室は別!笑)

あぁ・・・楽しみにしてたんだ・・・申し訳ないな。今から断るのに。
何も準備してないや。

今思えば、朝から酷い顔をしている私を元気づけようとしてくれてたのか、楽しそうに準備をする夫に「やっぱりやめよう」とは言えなかった。

行き先は、私が退職したときもお疲れ様旅行と称して、行ったところだった。

全然乗り気ではなかった。
でもこの旅行、こんな最悪な気分のまま出発したけど、楽しかったんです!

夫とゆっくり車で話しながら、温泉に入り、おいしいものを食べた。
普段食べているものとは全然違う、ちゃんとおいしい味がした。

特にカニは、シーズンだったし、とてもおいしかった。
カニは殻から取り出すのが面倒くさいし、結構時間がかかる。
それは普段なら嫌なことだったけど、無心で殻から取り出す作業がマインドフルネスというか、その後のおいしいもセットでついてくるので、とてもメンタルに良い食材なんだと勝手に思った笑

観光地だったから、もちろん妊婦も子どもも沢山いた。
でも、その人たちと話す機会はないし、夫と二人の世界だった。

私はお腹がいっぱいになったら、食べ物をお皿の1カ所に纏める癖があるそう。
それまで誰にも指摘されなかったし、そんな癖が自分にあるなんて気づいてなかったけど、夫との2回目のデートくらいで初めて指摘された笑
旅行中もその癖ができいて、また指摘されて、その流れで付き合った頃の話もした。
2人だけのゆっくりとした時間が過ごせて、料理もおいしかったし、楽しかった。

無理してでも旅行に行って良かった。
昨夜は、2人で決めたリミットまで頑張って無理だったら、もうシにたい。シんだ方がマシだと思っていたけど、この人となら2人きりで生きていく人生もありかもしれないな・・・そう思えた旅行だった。

日常に戻る

旅行から帰って、日常に戻る。
家のトイレには、検査薬が置いてあるし、机や部屋には薬が沢山。
日常は不妊治療で溢れていた。
2人だけの世界はもう終わり、現実と向き合って、次の対策をしなければならなかった。

家に戻ったタイミングで、友人から結婚式のお誘いが来た。
妊娠初期に私のバセドウ病と同じような症状があり、彼女は妊娠、私はバセドウ病だった。
私よりも2年も後に結婚して、デキ婚で、もう出産を終えている。
我ながら、すごく嫌な書き方。
でも彼女は何も悪いことはしていない。
もちろん私も。
お互いに悪くないのに、不妊治療は人を疎遠にしたり、簡単に友情を壊してくる。
好きだから、関係を守りたいから距離を取る。
ベタベタするだけが友情ではない。

結婚式には呼びたいけど、私の事情を知っていて、体調のこともあるし、招待する前に気を遣っていろいろ聞いてくれた。
そうやって、気を遣ってくれる友人。結婚式にはもちろん行きたかった。
でも、私は結婚式で他の参列者と何の話をしたらいいんだろう・・・
おめでたい席で話せる話題なんて1つもないや。

婚活も苦労したから、私は結婚したことを隠してはいないけど、SNSなどで公表したりはしていなかった。
名字が変わってることから、参列した周りの友人から結婚したの?とは聞かれるだろう。
その次に待っているのはだいたい”子どもは?”だ。
仮に、気を使える人がいて、子どもの話が回避できたとしても、不妊治療や病気のことで退職しているから、仕事の話はあまりできない。
加えて、メンタル病み気味だから、面白い話もできないし、笑うことも・・・😅
仮に、私が逆の立場で(私が参列者、私のような状況の人が別にいる)、相手の状況を知っていたとしても何の話題で話しかけて良いのかわからない。

とりあえず、出欠に関しては保留した。
移植の時期と被る可能性
流産した場合、手術日と被る可能性
妊娠した場合の体調が未知
妊娠した場合、例の感染症の流行下で大勢の人数が集まる式に行くことも恐怖・・・
わからないことが沢山あった。


これ、もし結婚式に参列予定で、前日に流産とかしてたら・・・さすがに欠席だよね。
おめでたいことって、もしかしたら、泣きたい心をころして、笑顔でお祝いしている人も沢山いるのかも知れない。
そんなこと気にしたってどうしようもできないのに、自分がこんなことになって、いろいろ考える様になった。
生き辛いなぁ・・・

***
私は現在も専業主婦です。まだ社会には出ていません。
社会に出るとある程度、社交性を求められるし、そのために、いろいろ相手に聞いたり、自己開示をして、会話をして、相手を知り、コミュニケーションを取ります。

不妊治療、病気、妊娠中や産後のいろんなトラブルを経験して、何を聞いたらいいのか?どこまで言ったらいいのか?いろいろ考えるようになりました。
いろいろ考えてたら、何も言えなくて・・・笑
もともとコミュ障なのに、もっとそうなった感じ。

全ての人を不快にさせないなんて無理だし、発言しなくても、存在自体が嫌みになることだってある。
とは言え、無神経に「子どもは?」って聞くような人にはなりたくないけど、他人の地雷はどこにあるのかなんてわからない。
初手はやっぱり天気の話?笑
んー、ここが最近の悩み😅
お話し上手は人になりたい。


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