品格にライフステージの違いは関係ない。
不妊治療をしていなくても胸くそな話だったと思うので、お次はお口直しで良かった話について。
ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
職場が同じで、元々フットサル仲間の人。
その人は落ち着いていて、聞き上手で知的な女性。
その人は不妊治療はしていない。子どももいなければ、結婚もしていない。
そして前の章の人よりも若い。
でも、前の章の人より、断然重みのある話をしてくれるし、押し付けのない爽やかなアドバイス。
人間としての品格に、年齢やライフステージは関係ないと改めて思った。
そして、その人に以前の記事で書いた本を紹介してもらった。
バセドウ病悪化 不妊治療できる? | たらすぱ☆ブログ (tarasupaneko.com)
この本、共感の嵐。
いろいろ書いてあるけど、タイトルに沿った話をすると、人間関係は自分で選んで良いってことが書いてあった。
幡野さんは、病気で余命宣告されてるんだけど、残りの人生の大事な時間は自分の大切な人と過ごしたいと考え、そうでない人にかけてる時間はない。たとえ親であっても関係を切ってもいい。という事も書いてある。
まぁ、私が説明するより読んだ方がいい笑
幡野さんが取材した人やご自身の体験から丁寧に綴ってくれているが、幡野さんがどれだけ丁寧に綴ってもクレームや賛否はあるそう。
いかなる状況においても親を捨てるなんておかしい、とか。
そうかもしれない。
でもそれはあなたはそうなんでしょう?ってところ。
あなたがそうならそれでいい。
前の章で書いたように、私は他人の人生に責任も持てないくせに自分の価値観を押し付けるやり方は好きではない。
この作者や取材をされた人達は、若くして病気で余命宣告されてたりいろんな事情がある人たちで、周りからはいろいろ言われたそう。
(趣味で狩猟をされてて)「生き物の命を奪うから若くしてそんな病気になった。」
「〇〇の教えに従わないから…」
お守りを大量に送ってきて、〇〇神社へ行けだの…
病気もと戦わないといけないのに、そういった人達に対応するのはうんざりするでしょう。
そういった人達が家族にいないと言える?
簡単に切れる関係の人ならいいけど、こういう時の血縁程厄介なものはないと思う。
配偶者は自分で選んでいるからある程度の責任は自分にあるし、離婚という選択肢もある。
血縁は自分で選んでもないのに、関係性はずっとつきまとい、その責任を問われる。
私は余命宣告はされていないが、この度の不妊治療や病気の治療でも十分共感することがあった。
後に、幡野さん自身も
「不妊治療をしている方と話していてぼくも気づいたんですけど、不妊治療中の方が周囲からいわれることと、がん患者がいわれることとほぼ一緒です。食べ物のこと、過去の行いがなんちゃら、宗教的な話、効果のないだろうサプリメントやインチキ的なもの。などなどびっくりするほどまったく一緒です。」
とコメントしてくれていて、大変嬉しかった。
私の場合、1番厄介だったのが「アドバイスしてあげてる人」だった。
言い方や程度もあるから一概には言えないが、本人に悪気がないから1番厄介。
「普通にしてれば妊娠する。できないのはあなたが〇〇だから」
「病気になったのはあなたが〇〇だから」
と、科学的根拠のない自分の決めつけで、私にアドバイスしたがる。
なぜか弱者には大きく出て、何か理由をつけて何か言いたい人が一定数いるのだ。
私は、不妊で実家との関係が良くないとは言ったが、私の母・姉は各々2回の出産をしたが、2回とも1発で妊娠している、
病気も不妊も全く理解がなく、こんな状況でも子供のことを聞いてくる。
聞かないで欲しいことを伝えても、私が怒られる。
どうやら家族で1番低年齢の私は、1番身分が下で、上の人はアドバイスをしてあげないと…らしい。
何も知らないくせに、
「甲状腺は取ってしまえば問題ないのでは?スポーツ選手とか全摘してスポーツ復帰できてるんだし、早く取ればいいのに」とか
「早く体外受精したら?卵の冷凍があった方が2人目が欲しい時も若い卵が使えるし」とか
言ってくる。
体外受精のお金、リスク、体の負担、術後の後遺症、副作用、そもそも卵が取れるのかもわからないし、貯卵ができたとしてもそれで妊娠するとも限らない。
諸々のデメリットを全て都合良く無視した、意見の押し付けだった。
普段の私なら流したりうまく対応できるでしょう。
この心身共にキツい時期には驚く程うまく立ち回れない。
だから、付き合っていられない。
両親や姉は私が選んだ関係ではないし、他人である夫の方が一緒にいて心地が良い。
いくら家族だと言っても距離感は大事だ。
よっぽど酷い親族なら、そこで切ってしまうのもアリだと思うが、白黒つけなくてはいけないわけではないので、私はグレーゾーンで過ごしている。
今はしんどいから連絡を取らないでおこう。…こんな感じ。
これは家を離れたからできるのかもしれないことで、年齢的に実家から離れられずに苦労している人もいるかもしれないが。
余命宣告などで、残り時間に余裕がなければそういう付き合いも切る必要があるのかもしれない…
とにかく、他人がとやかくいう領域ではないと思う。
あなたの言う通りに我慢して付き合って、私の人生は納得いくものになるんですか?
ならなかったら責任取ってくれるんですか?
やはり初めの他人の人生に責任も取れないくせに、自分の価値観を押し付けるのはやめた方がいい。
これを別の言い方で言うと、相手の考えや意見を尊重するということだと思う。
親ガチャの話
親との関係性のことで親ガチャという言葉があって、賛否がある。
前章で述べたように、私は、選べない関係性・・・つまり親ガチャはあると思うけど、誤解のないように言及したい。
お金やDV、合う合わない…といった制御不能な事実に関して、親ガチャはあると思う。
例えばDVをされていたとする。
それは力のない子どもでは制御できないので、親ガチャ要素だと思う。
でも、DVのせいで周りの人が怖くなり、引きこもりになってしまった。
→これは親ガチャではないと思う。
DVをされた人全員が引きこもりになるわけではないからだ。
DVをされるということは、個人の努力だけで避けられないガチャ要素であると思うけど、そこから何を学びとるかはその人の責任だと思う。そこは間違えてはいけない。
似た話が「嫌われる勇気」に載ってたかな?ずいぶん昔に読んだから忘れたけど💦
言い方一つ
品格同等に、言い方ってすごく大事だと思う。
不妊治療で退職する私に、こんな話をしてくれた人がいた。
「私は、治療はしていないし、たらスパさん程の苦労はしてなかったけど、子どもができなくて悩んだ時期があった。
不妊に黄色のカーテンが良いとか風水で聞いてね、たまたま引っ越しもしたし、心機一転、黄色のカーテンに変えてみたの。
それですぐ子どもができてね、黄色のカーテンにしたから子どもができたとは思わないけど、環境を変えてみるっていうのは凄く良いことだと思う。
だから、今回の退職も環境が変えるって意味では良いことだと思うし、応援してるよ。」
続けて
「でも、退職するまでに私たちももっとできることあったと思うけど、力になれなくてごめんね。」と。
その人の同職種の別の人に、同じく風水の関係で、”玄関にザクロを置け”とか言われて、
・・・はぁ?
となってたところ。
また「風水で黄色いカーテンが良いって効いたから、そうすれば良いよ」と言われたら、私はどういう顔したら良いんだ?と思って途中まで聞いていたけど(笑)、ホントに押しつけのない良い話をしてくれて・・・
最後に謝られた時なんか、泣くの堪えて、返答するのにちょっと間があったと思う。
この人は、高齢患者に「いつまでも子どもができないね」と棒でお腹を突かれて、固まってしまった時に、即座にフォローしてくれた人だった。
やっぱり、素敵な人は普段の態度にも出てるよね。
他の人が言ってるのを聞いただけだけど、「二人目まだ?」って聞く人もいれば、「二人目とかって考えてる?」と聞く人もいた。
同じ二人目のことを聞くのでも全然印象も違うな。
人間的な賢さなのか、人生経験による知恵なのか、天性の品格か・・・
品格は一朝一夕で身につくものではないけれど、言い方も気をつけたいものだな。
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本当にいろんな人がいる。
私は、周りに無神経だと罵られて、陰口を叩かれても良いから、こんな経験はしたくなかったけど、多分、不妊や病気を経験する前の私は、無神経で思ったことをあまり言葉を選ばずハッキリ聞く人間だったと思う。
過去の自分を省みる出来事がたくさんあったなぁ。・・・劇薬が過ぎたけどね🙄
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