第29話：不妊治療⑳退職後の世界

数値も体調も完全に降り出し。
はぁ…何で気づかなかったんだろう。

退職したし、なるべくギリギリまで卵胞チェックできるから、またまた不妊治療のクリニックへ。

外出したらしんどいことに気づいた。
そうか、今まで引きこもってたからか･･･
んー…こうなる前に気づけよな。

不妊治療専門のクリニックという場所
AIH3回目
お疲れ様旅行

不妊治療専門のクリニックという場所

クリニックはいつも通りの激混みで、数名が怒って帰って行った。
よく見かける風景だ。
別に珍しいことでも何でもない。

私はそんなに怒ったことはないけれど、仕事してたら本当に余裕がなくて、スケジュールもカツカツ。仕事してたらそうなるよね。
少し前の自分を見てるようだった。
端から見てるとそんな感じかぁ･･･余裕なんてないし、カリカリしてるな。

時間は不可逆的で、妊娠なんかはリミットのあることで、みんな必死なんだもん。
余裕なんて1ミリもないよね。

頭を下げてわざわざ休みとっても、その日に排卵日がくるとも限らないし、無理をしたら甲状腺の数値が悪くなるし、有給はなくなるし、本当に仕事との両立は難しかった。
職員には迷惑もかけてるし配慮してもらってる手前、不妊治療のことは伝えていたけど、患者に私生活のことまで深く突っ込まれるのが本当に苦痛だった。
理解のある職場だったり、仕事をしたら気が紛れるという人もいるけど。
仕事を辞めて、スケジュール的に余裕を持つことができて、少し待合の周りの人を客観的に見渡すことができた。

私の通う不妊治療専門院は、
・本院（手術、体外受精（採卵・移植はしていないが、注射・採血は可能）はしていない）
・分院（手術・主に高度不妊治療）
があり、どちらも通った経験があった。
両方の不妊治療専門のクリニック自体、とても殺伐としている。

本院の患者さんも深刻ではあったけど、分院は別格。
処置や手術もかなり体に負担がかかるものが多いから、フラフラで旦那さんに体を支えてもらいながら移動していたり、トイレでは誰か吐いていたり･･･
大の大人が大声で泣いていたり、声を殺して下を向いて泣いていたり･･･
待ち時間の間中、パソコンを開いて仕事をして、トイレや廊下でスケジュール調整の件で、ペコペコと謝り倒していたり･･･

静かで、みんな無表情。笑顔の人は1人もいない。
まるでお通夜のよう。　

でも、こんな空間が返って私には良かった。
こんなにお金を溶かして、苦痛に耐えて、こんなに待って、時間かけて、スケジュール調整で各方面に謝り倒して、それでも何も得られなくて･･･
私も、例に漏れず笑えるはずもなく、よく溶け込めた。
むしろ、普通の産婦人科で、幸せそうな妊婦や、子連れとともに診察を受ける方がキツい･･･

挿入障害の時は仲間なんて一人もいなかったけど、不妊治療専門のクリニックで、状況は違えど不妊に悩む同士がこんなにいるんだと、勝手に仲間意識みたいなものを感じていた。
･･･うん、不妊治療もかなりのマイノリティーだけど、誰にも理解されないって点においては、挿入障害よりマシだった。

いろんな人を見ては、心中、共感したり応援したりしていた。
”あぁ･･･もう、あの人、泣いてもいいのに。”と、見てられなくなったり、
”辛いよね。一緒に頑張ろうね。”と、自分も気合いを入れたり･･･
私も、知らない誰かにそう思われてたかな？

AIH3回目

3回目のAIHは、FT術の時、股越しに自己紹介してくれたサッパリおっちゃん先生だった。
話しやすくて、「痛くないようにして！」と、念押し。
めちゃくちゃ上手だったし、声かけも優しかった。
言ってみるもんだな笑

終わった後、内診台のカーテンから覗いて、痛みの確認をしてくれた。
･･･私下半身裸だったけど、良かった？笑
不妊治療してたら、本当に羞恥心とかなくなる。
そして、先生も慣れすぎてて･･･😅

あとは判定待ち。
無理しないように過ごしてるつもりだけど、まだまだ数値も安定してないから、家事も休み休みやらないと息切れがすごかった。
何より風呂掃除！！
途中で足震えて立ってられなくなるから、お尻が濡れそうになる。
頑張れば、立ったまま休憩して掃除完了できるけど、もし妊娠してたら…と思うと、無理したくなくて、休み休みやって時間がかかって大変だった。
本当に何で気づかなかったんだろう…💧

3回もやれば、少しはこちらもコツを掴んできたように思える。少しはね！！

お疲れ様旅行

退職して、夫と、温泉にでも行ってゆっくりしないか？という話になって、お疲れ様旅行をすることになった。
やっと仕事を辞めてゆっくりできる感が出てきた。

久しぶりの旅行だったし、体調的なところもあって、車酔いもした😵
でも、とても癒やしになった。

真夏の温泉街に加えて、世間は例の感染症のデルタ株とかが出てきた頃で、かなり人が少ない。
人気の温泉街だったけど、ガラガラで貸切状態✨
まだ数値が悪くて、すぐド頻脈になるから、あまり長湯はできなかったけど、存分に楽しめた。
それに、この日は海の幸も久しぶりにおいしく食べれた。
今までは、こんな感じで、特に寿司とかは、味が鈍かったから↓
不妊治療退職を考える | たらすぱ☆ブログ (tarasupaneko.com)

でもまだまだ、写真の顔は引き攣って劣化したままだった。
写真見たけど、うーん…やっぱりブサイク。
この頃の写真は甲状腺もそんなに腫れてない方だったのに、ちょっと腫れてきた。
右側。わかる？