仕事も徐々に慣れていき、病気もよく薬が効いてくれた。
既に挿入障害で婦人科に通い始めてから1年以上が経過していた。
それなのに、年月ばかり過ぎて、スタートラインにすら立てなかったり・・・
真剣に通院しているのに、全然進まない。
当時思ってたより長丁場。
長引けば長引くほど、精神を病むから早く妊娠したかった。
不妊治療が怖い
体調も数値も良くなってきて、そろそろ妊活の許可が出そうな雰囲気だった!!
早く早く…
そんな気持ちもあった。
でも、また不妊と向き合うのが怖かった。
今までは、医師の指示の下、妊活をしなくて良かった。
また毎日痛くて辛い思いをして、何も得られない日々が始まるの?
妊活ストップの指示が出た時は確かにショックだった。
努力して、やっとスタートラインに立てたところだったのに…
病気で妊活できるチャンスも奪われて、妊活や不妊治療が滞りなくできてる人すら羨ましかったのに、でもいざ妊活🆗がチラつくと、
またあの生活に戻るのが怖くなった。
妊活したくて堪らなかったくせに。
できそうになった途端に怖くて嫌になる。
立場が変われば、こんなにも正反対な気持ちになるなんて…
人の気持ちなんていい加減なもんだな。
・・・私だけか。
ていうか、不妊治療したくてしている人なんていないのに、
不妊治療できてる人でさえ羨ましいなんて…
治療を頑張ってる人に対して失礼なことを…
そんなのは理性では全部わかってる。
多分、治療できてる人が羨ましいのではなく、
ただ、いつだって他人が羨ましかった。
自分の状況が、自分が、自分でいるのが嫌だった。
こんなんじゃ幸せになれないなぁ…
※妊活と不妊治療を混同しているようだけど、不妊治療専門クリニックに通ってからは明確に不妊治療だという定義を自分なりにしています。
ただし、タイミングが取れるかどうかもわからない私たちだったので、この時期は妊活と不妊治療が曖昧なところなので、混ざっていてすみません🙏💦
妊活許可
先生から、ついに妊活許可が出た。
今から妊活しても🆗ですよ!
というより、ここまで数値が下げれたら絶対的に危ない状況じゃないので、
できちゃったらそれでもいいです的な。
あー、そうかそうか。
普通の人はできちゃったら…か。
夫婦だし自然にできちゃうようなことするよな、普通の人は。
そうかそうか。
私、一度も避妊したことないんだけどな。
それでも妊娠できたことないんだけどな。
夫と自然にしたことなんてないんだけどな。
説得して説得して、子どもの為にわざわざ日程を合わせて、頑張って仕事みたいにやってるんだけどな。
自然にできちゃったら・・・ね。
自分たちはやっぱり普通ではないのか。
メルカゾールを飲んでいたため、妊娠したら、すぐ休薬する必要があった。
「妊娠してたら、メルカゾール飲むのやめて、すぐ連絡して下さい。」
帰り際には必ず言われた。
このセリフは今後も受診の度に、ずっと聞き続けることになる。
早く”妊娠ました!”って連絡がしたい気持ちはあるけど、
“はぁ…妊娠することなんてあるのかな?前回もそのセリフ聞いたよ。
この先生は私がすぐ妊娠できるとでも思ってるのかな。
いつもいつも妊娠できなくてごめんなさい。“
と不甲斐ない気持ちでいっぱいになった。
今までは甲状腺のせいで妊娠できない状態だった。
でももし、数値が良くなっても妊娠できなかったら?
不妊と向き合うのが怖い。
甲状腺の先生は、私のことをすぐ妊娠すると思ってたみたいで、
「前は妊娠できるような数値じゃなかったけど、もう大丈夫。妊娠できるよ。」と言って、私に期待させていた…。
軽々しく「妊娠できるよ」なんて言われたくなかったけど、励ましてくれているつもりなんだろう。
散々期待して、妊娠ではなく病気だった私は、もう既に自分に期待する気持ちはだんだん減っていった。
それでも医者が「妊娠できる」なんて言うんだもん。
ちょっとは期待してしまう。
頑張って挿入できるようになったんだから…
妊活もストップして治療に専念したんだから…
バセドウ病のコントロールができたんだから…
タイミングさえ合えば…
私の母も姉もすんなり子供ができたし、家系に不妊の人はいない。
なんなら40歳を超えた叔母も結婚してすぐにすんなり自然妊娠した。
私も当然その遺伝子だと思ってたし、周りに不妊の人もいないからそうだと思ってた。
体よりも心が痛い
再び不妊治療の世界に飛び込んではみたものの、痛みに耐えて何度も頑張ったのに擦りもしなかった。
いろいろ文献も読んで確率を上げるために出来ることは全部やったし、
タイミングもバッチリ合わせてもらったのに
一切妊娠しない!
タイミングを合わせるのも一苦労で…
意地になって、できるまで1日に3時間くらい×2セットもやったこともある。
先生に言われた日にわざわざ休みまで取って。
萎えるとすぐ抜けるので、1番痛くて嫌いな入れ直しを20回以上はして(途中までカウントしてたけど、覚えてられなくてやめた)
痛くて痛くて、足もガクガク…
痛い素ぶりを見せると、また萎えてしまうので、我慢我慢…
我慢できなくて、”トイレに行く”と言って、トイレの中で止血しながら泣いた時もあった。
それでもやらなきゃ終わらない。
それだけやっても出なくて、大事なチャンスが失敗に終わった日もあった。
私目線で書いてるけど、夫だって相当キツかったはずだ。
薬で無理矢理勃たせて、3時間×2セットも動き続けるって、経験はないけど考えただけで地獄。
そこに快楽なんてものは一切なく、“ただただ子どもか欲しい”気持ちだけで、2人とも心をコロして業務に勤しんだ。
笑顔も気持ちも何もない、ただの痛くて苦しい業務。
それでも何をどう頑張っても妊娠しなかったし、ド陰性で、一度もかすりもしなかった。
クリニックの先生は
「今までは、バセドウ病で妊娠できる数値ではなかったでしょう?
不妊じゃない人でも確率的に半年はかかるものだから、もう少しトライしてもいいし、
すぐに子供が欲しいと思うようなら卵管造影検査をして人工受精も視野に入れてもいいですよ。」と。
通っていたクリニックでは人工受精に進む前に必ず卵管造影・子宮鏡検査をしないといけなかった。
以前までの私なら、
「入ったらできるのに!
挿入が難しいからクリニックにかかったのであって、それより先の卵管のこと調べたって、行為がスムーズになるわけじゃないし!
まだ処女を卒業してばかりなのに、どうしてそんな痛い検査をしないといけないの?」
と思っていたが、すでにそんな自信は砕かれていた。
初めてエッチができた時に、バセドウ病になった自分の体を信用できなくなっていた。
陰性の度、どんどん信用できなくなる。
普通の人が気持ち良いはずの行為でさえ、私にとっては激痛なのに
卵管造影なんかしたらどうなるのだろう?
と思って怯えていたが、リセットを繰り返し、心が砕かれていくうちに、
これ以上、心が痛いのは耐えられない。
まだ体が痛いのは耐えられる。
と思うようになった。
先生に話して、すぐ卵管造影の予約をした。
あの痛がりの私が。
勇気を出して卵管造影に挑んだわけではなく、繰り返すリセットでもう心が先に限界を迎えた結果だった。
***
バセドウ病のコントロールがついていて、先生からも「妊娠できる」と言われて、毎回それなりに期待もしてしまってて…
毎回のリセットがそれはそれは大ダメージだった。
あんなに嫌だった卵管造影に自分から踏み切るだなんて、リセットの破壊力ってすごいよね。
卵管造影のレポは調べたら出てくるけど、挿入障害や性交痛がある人の場合の卵管造影レポなんてどこを探してもなかった。
普通の人が快楽に感じることが痛い私だけど、普通の人でも痛い検査なんかして、ほんとに大丈夫?
情報が全然なくて不安でいっぱいだった。
次回、挿入障害や性交痛がある私の卵管造影・子宮鏡検査のレポします🔥
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