不妊治療ができないのに、タイトルはどうしよう…と迷ったけど、
また再開した時にややこしいからこのまま行かせてもらいますね。
ロングバケーション
ずっと前のドラマでロングバケーションってのがあった。
ずっと前なので、内容は殆ど覚えていない。
ただ、「人生がうまくいかない時は、神様がくれた休暇」的な言葉はなぜか印象的でよく覚えていた。
私は人生初の休職をすることになった。
それも病気で。
ずっと前のドラマのロングバケーションの言葉を思い出したけど、荒んだ私に、そんな言葉は届かなかった。
何が神様?
休暇なんていらないから、子どもが欲しかった。
今まで10年程社会人をしてきたけど、体調不良で仕事を休んだことなんて一度もなかった。
どちらかと言うと、自分はよく働くし、休んでいる人たちのフォローにまわるのが多い方の人間だった。
6人一気に産休に入って大忙しだった時もあった。
その6人の中の1人に「独身はいいねぇ」なんて言われたこともあった。
フォローしないわけではないけれど、それを当たり前とは思って欲しくない。
こういうのはお互い様、いつかは自分の番が来ると信じて疑わなかったけど、今は疑いしかない。
私に順番なんて来るの?本当に?
急に朝は早く起きなくて良くなった。
ゆっくり朝食を準備をした。
夫「バセドウ病だと思う…って言って、本当にバセドウ病の人いるんだね。」
私「だよね笑
まぁ疑ってはいたけど、私も実は違いました…ってオチかと思ってた。
しばらくゆっくりしようかな。
あなたは会社でしょう?笑
可哀想に🤣」
なんて笑いながら会話した。
しんどい中、ずっと働き詰めだったから、久しぶりにゆっくりできることは素直に嬉しくもあったけど…
夫が家を出てすぐ玄関に泣き崩れた。
我慢してたわけではなくて。
夫は働きに出て、私はまだパジャマで、情けないガリガリの体で立ち尽くして…
妊娠もできず、社会的にもお荷物で、どこにも行けず急に家に1人で取り残されたような感じがした。
いつになったら子供に会えるの?
いつなったらスタートラインに立てるの?
周りからは妊娠報告ばかり。
しかも私より後に結婚した人たちの。
そのまま、泣きながら家事を済ませ、お昼が近づく頃にやっと泣き止む。
バセドウ病はどんどん痩せていくけど、お腹はめちゃくちゃ空く。
晩ご飯の食材も合わせてスーパーに買いに行く。
スーパーに行くのも休憩しないと歩けなかった。
そんなことになってるなんて気づかなかった。
頑張って辿り着いたスーパーで子連れを見る。
嫌だ!今は見たくない!
慌てて家に帰ってまた泣きながら食事の準備。
慌てたり走ったりすると、すぐにしんどくなるし足が震えてうまく走れなかったけど、そんなことはどうでも良い。
体より心を守らないと潰れてしまいそうだった。
傷つく自由
昼が終わり、ちょうど夕飯の準備をする頃に、生まれたての子どもをテレビで映して、名前を発表し、おめでとう👏・・・って感じの番組が短時間だけ放送される。
夕飯の準備をする時にテレビをつけると、なぜかそのチャンネルのことが多くて、テレビをつけた瞬間に赤ちゃんが大きく映し出されて…
びっくりして慌ててテレビを消した。
運悪く洗い物をしていてテレビがすぐ消せなかった時には、無意識に泣きながら
「あーー!!!やめてやめてやめて!!」
と叫んで、音声が聞こえないようにしていた。
私は明らかにおかしかった。
この時期から急に無理なものが増えた。
子ども用品の売り場
子ども
妊婦
妊婦マーク
子連れ
家族連れ
妊娠・出産報告
子どもの写真付き年賀状
上記のものが出てくるテレビ番組、マンガ・・・
外に出るのが嫌になって、生きにくくなった。
上記に挙げたものは、今になって急に出てきたわけでも、悪さをし始めた訳でもない。
物事は物事で良いも悪いもない。
私の見方が変わったから無理になったのだ。
こういうことを書くと、正義を振りかざされることがある。
一例挙げるとして、子どもの写真付き年賀状の何が悪い!お前はおかしい!!と。
(実は軽く年賀状が憂鬱だと嘆いた時に、言われたことがある💧)
子どもの写真付き年賀状を送る人が悪いのではなく、送るな!とも思わない。
だって向こうは挨拶のつもりで、礼儀正しく送ってくれているだけで、何も悪気があってやってることではない。そんなことはわかってる。
でも傷つく自由はあると思うのよね。
(それで危害を加えたりするのは、明らかに一線を越えているから庇いようもないけど。)
自分が受験で落ちた直後に、希望校の制服来た楽しそうな友達の写真を見て何も思わない?
自分が足を怪我して、2度とサッカーができないかもしれないと言われてる時に、他の人が楽しくサッカーをしているところを敢えて見たいと思う?
いろんな人がいるだろうから、写真を見てもサッカーを見ても、何も思わない人もいるだろうけど、
私は気持ちに整理がつくまでは、写真は見たくないし、サッカーも見たくない派。
もちろん、希望校の受験に受かった友達が悪いわけでもないし、サッカーをしている人が悪いわけでもない。
こういう経験があるから、全てが終わった今、私は子どもを連れてただ歩いてるだけでも、人を傷つけていることがあるんだな・・・とふと思うことがある。
それでも歩かないわけにはいかないから、堂々としてるけど。
自分にとって、ごく自然で当たり前なことが、相手をめちゃくちゃ傷つけていることは
実はよくある事だと思う。
そういう事は、得てして自分にとっては当たり前過ぎて、気づかない。私も。あなたも。
そう思うと、怖いよね。何もできなくなる。
気にしすぎると何もできなくなるから、思うままに行動して良いと思う。
でも、行動の自由と同じくして、思うままに傷つく自由もあると思う。
(何度も言うように、それで相手に危害を加えるのは絶対にNGだけど)
休職ルーティン
朝夫を送り出してから、少し寝て、泣きながら家事を済ませて買い物。
買い物から泣いて帰ってきて、昼食を済ませて、ゆっくり寝て、夕食の準備をする。
例の番組を見てしまったら、あーまたやっちゃった・・・と、泣いてしばらく落ち込む。
そんな毎日だった。
でも今まで我慢せずに毎日泣けて、ゆっくりできたことがあったかな?
側から見たら、病んだ毎日のようだけど、私は我慢しなくて良い分、仕事に行くよりラクだった。
エッチができないことに関してもずっと自分を責め続けて、体がこんな状態になるまで無視し続けたことを後悔し、この休暇を使って自分と向き合うことを決めた。
そうすると、すぐに、ずるい自分に気づく。
バセドウ病で苦しんでいるのは確かだし、9割はショックだったけど、
「あー、これで私はただのエッチができない痛がりの惨めな人間だから妊娠ができないのではなく、病気のせいでで妊娠ができない人間なんだ」
と、1割思っている自分に気づいた。
病気を言い訳にするような、こんな考えでは病気が良くなるはずがない。
精神のもっと根本的なところから何かを変えなくてはならない。
それを教えてくれる経験なんだと言い聞かせて、好きなだけ泣いて自分と少しずつ向き合うことにした。
***
前記事に追記です!
薬物療法にはメルカゾールとチウラジールがあって、メルカゾールの方が副作用が出にくく、第一選択薬と言われてます。
しかし、メルカゾールは妊娠初期は使えず、妊娠するなら、メルカゾールで妊娠初期に休薬を挟むか、妊婦でも飲めるチウラジールを選択するかだそうです。
私の通っている病院の方針ではメルカゾールあるいはチウラジールどちらかで副作用が出た場合、薬物療法は選択外になります。(化学式が似ているため、再度副作用が出る可能性が高いことが理由だそう)
でも他院では、メルカゾールで副作用が出て、チウラジールに変更して、副作用が出ていない人もいるし、逆も然りでした。
副作用の種類や程度、病院や先生の考え方によって投薬だけでもいろいろあるそうです。
各々の主治医の先生に従って下さいね。
そんなこんなで、私は副作用が出やすい体質だから、メルカゾールで、妊娠トライしましょう!ということにはなったけど、”逆にメルカゾールで副作用が出たけど、チウラジールで副作用でなかったけど?”って人もいると思って、追記しました。
なんでこっちの記事に追記したかって?
文字数の問題!笑
勉強系の話だし、長いと読むの疲れちゃうでしょ!
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